トップメッセージ
TECHNOLOGY FOR THE EARTH
技術は地球を守るために。
株主、投資家の皆様には平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
当中間連結会計期間(2025 年4月1日~ 2025 年9月30日)における我が国経済は、物価上昇が落ち着きを見せる一方で、円安の進行やエネルギーコストの上昇が企業収益を圧迫し、全体としては緩やかな回復にとどまりました。雇用や所得環境は改善傾向にあるものの、家計の節約志向が続くなど、個人消費は力強さを欠く状況となっています。
世界経済におきましては、全体として緩やかな回復基調を維持しているものの、欧米では個人消費や設備投資の伸びが抑制され、中国では内需の弱さを背景に景気回復の勢いが限定的となっています。また、米国における保護主義的な通商政策の動きや、中東地域の不安定化等、地政学的リスクが顕在化しており、先行きは依然として不透明な状況が続いています。
当社の主要な販売先である造船・海運業界におきましては、世界的な海上物流需要の底堅さを背景に概ね堅調に推移し、新造船受注は高水準を維持しています。
このような企業環境下、当社グループでは機関売上においてタンカー向けを中心に中小型機関の台数構成比が上昇したものの、コンテナ船向けを中心とする大型機関の販売は一時的に減少しました。一方、船舶稼働率の高止まりを背景に、メンテナンス販売は堅調に
推移しております。機関受注におきましては、大型デュアルフューエル機関の引き合いが引き続き堅調であり、受注残高は前年同期を大幅に上回る水準で推移しております。
この間、今後の事業拡大に向けた基盤構築を着実に進め、次世代燃料対応機関の開発および生産体制の整備に向けて、2026 年の稼働を目指した姫路工場の生産能力強化投資を進行中であります。
創業以来、「たくましい創造性とすぐれた技術を磨きあげ、社会を豊かにする価値を提供し、人々との共生を願い、限りなく前進する」という企業理念のもと、当社グループは、舶用機関を通じて世界の海上物流を支え、陸用機関では電力や各種設備の動力を提供することで、社会インフラを支え、人々の安全で豊かな暮らしを支えてまいりました。技術を原動力とするこの使命感こそが、創業から今日に至るまで、当社グループの挑戦と成長を導いてきた根幹であります。
いま、エネルギー転換と脱炭素化の潮流が加速するなか、当社グループは持続可能な社会の実現に貢献する新たな段階へと進化しております。足元では大型機関の販売が一時的に減少したものの、次世代燃料対応機関や、デジタル技術を活用した運航最適化など、環境負荷の低減と経済性の向上を両立する技術への需要は着実に拡大しています。こうした将来を見据え、グローバルな需要構造の変化に即応できる生産・サービス体制の強化を進めており、2026 年稼働予定の姫路工場の増強投資は、その中核となる取り組みです。
2025 年5月、当社は社名を「ダイハツインフィニアース」に改め、新たな未来への挑戦をスタートいたしました。この名称には、永遠・無限を意味する「Infinity」と地球を表す「Earth」を組み合わせ、「技術革新を追求し、地球環境に新たな可能性を無限に与える」という決意を込めております。
そして、ブランドキーメッセージ「進む、をつくる。」のもと、技術と人の力を融合させ、変化を恐れずに挑戦し続けることで、持続的な成長と社会的価値の創出を実現してまいります。
こうした事業環境の変化と中長期的な需要拡大を踏まえ、中期経営計画の目標を上方修正いたしました。2028 年3月期に売上高1,000 億円・営業利益90 億円・ROE12.0% 以上、2031 年3月期に売上高1,200 億円・営業利益120 億円・ROE12.0% 以上の達成を目指しております。これは単なる業績の積み上げではなく、「収益性」「資本効率」「持続可能性」を一体で高めるための挑戦です。大型デュアルフューエル機関をはじめとする高付加価値製品の拡販、メンテナンス関連事業の安定収益化、生産性向上によるコスト構造の最適化を通じて、強靭な収益基盤の確立を図ってまいります。
そして、長期的な成長を支えるのは「人」の力です。社員一人ひとりが「進む、をつくる。」という想いを胸に、自ら考え、挑戦し、変化を起こす。その連鎖が、当社グループの競争力を高め、持続的な成長を生み出してまいります。技術と人、そして社会との共創を通じて、持続的な企業価値向上を実現し、ステークホルダーの皆様の期待に応える存在であり続けます。
株主、投資家の皆様には今後とも、当社グループへの温かいご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
ダイハツインフィニアース株式会社 代表取締役社長
IR方針
